08 火葬場までの道のり







―僕の可愛い有栖。

今すぐ、迎えに行くよ。





今、あの火村って奴の傍にいるんだね。
彼は君を大事にしてるかな?

君の親友だから大丈夫だとは思うけど、もし有栖に何かあったら火村を殺さなきゃね。
僕の有栖を大切にしなかった罰だもの。










この位は当然だよね。










有栖、僕がいなくて寂しいだろう。
愛しい有栖、僕も寂しいよ。



君がいないって、こんなに辛いんだね。


君の声。
君の笑顔。
君の姿。
もう、あの表情のコロコロ変わる君に会えないなんて、淋し過ぎるよ。






でも、これは有栖が望んだ事だから。
僕は一生、君の生命を抱いて生きていくよ。


それが、僕の使命だから。
きっと天国で喜んでくれているね。





君の体を返して貰ったら、君を花で埋めた硝子の棺に入れてあげる。

白雪姫みたいだろう。
僕のキスで目を覚ますのかな?



・・・なんて冗談だけどね。



そして、僕の傍でずっとずっと一緒にいるんだ。
永遠に僕の傍で、微笑んでおくれ。

その代わり、おはようのキスもおやすみのキスもちゃんと毎日してあげる。



なんて素敵なアイデアなんだろう。

きっと、硝子の棺は有栖も喜ぶよ。
想像しただけで、楽しくなってきちゃうよ。

ああ、楽しみだなあ。


















・・・・・・やっと着いた。
結構長かったなぁ。

さあ、彼奴から君を返して貰いに行くよ。
火村って奴は、話が分かりそうだからきっと上手くいく。





君の“親友”だから、僕にすぐに返してくれる筈さ。





硝子の棺、楽しみにしててね。






―僕の可愛い有栖。